矯正治療の開始時期について start
【0~6歳】乳歯(子供の歯)のみの時期(乳歯列期)
4歳以下のお子さんは矯正装置を装着し続けることが難しいため、一般的には矯正治療は行ないません。
永久歯が生えはじめる5~6歳ごろになると、さまざまなことに対する理解が進み、ある程度我慢もできるようになるため、重度の受け口や出っ歯などのケースでは、治療を開始する場合もあります。
早期治療が必要かどうかの判断が難しい時には、レントゲン撮影などを行なってお口の状態を詳しく調べることもあります。
【6~13歳】乳歯と永久歯(大人の歯)がある時期(混合歯列期)
ほとんどの症例において矯正治療を開始するのに適した時期で、お子さんの将来の歯並びを左右する重要な時期でもあります。
まだ永久歯は生えそろっていないため、矯正装置で大きく歯を動かすような本格的な治療は行なわず、おもに永久歯をきれいに並べるための土台作りをします。
たとえば、顎が小さくて永久歯が生えるためのスペースが足りないようなケースでは、顎骨の成長を促すような治療を行なったり、受け口で噛み合わせが逆になっているようなケースでは、前歯の噛み合わせを整えて上顎の成長を促したりします。
また、歯列全体ではなく一部分だけ歯並びが乱れていて、そこだけを治療すれば将来的に本格的な矯正治療を行なわずにすみそうなケースでは、歯並びが乱れている部分だけを治療します。
そして、顎の成長と上下の顎のサイズのバランスなどを観察しながら、永久歯が生えそろうのを待ちます。早い場合は小学校4年生ごろ、遅い場合でも中学生になるとほとんどのお子さんの永久歯が生えそろいます。永久歯が生えそろったら大人の矯正治療と同じような装置を使って本格的に矯正治療を始めていきます。
(乳歯が残っている場合)
【13~18歳】永久歯が揃っている時期(永久歯列期)
お子さんによっては乳歯が残っている場合もありますが、一般的には永久歯が生えそろう時期なので、本格的な矯正治療を開始するのに適しています。
性別によって多少成長に差はあるものの上顎の成長はほとんど終わっているので、下顎の成長に留意します。遺伝的あるいは骨格的な要因によって下顎が大きく成長しそうなケースでは、治療の開始を遅らせることもあります。
また、受験などによって環境の変化も起きる時期なので、そのことについても充分に配慮したうえで治療を進めていきます。
【18歳以上】成人
体の成長はほとんど完了し、骨格的にも安定し始める時期です。18歳以降になると大きなお口の変化はありませんが、進学や転勤・転職などによる引越し、結婚、妊娠・出産などの環境の変化に気をつけて治療を進める必要はあります。
また、前向きな気持ちで治療を開始することも大切です。大人の矯正治療に年齢制限はありませんので、歯並びや噛み合わせでお悩みがあれば一度ご相談いただき、矯正治療について充分に理解したうえで治療を受けるかどうかをご検討ください。